2009年7月24日

今後、“「このミス」完全読破”は、以前のブログにて更新していくことになりました。

 2009年4月から独立ブログ化したこの“「このミス」完全読破”ですが、まだあれから3ヶ月ほどしか経っていない中ではありますが、独立前に更新していたブログ「朴念仁と居候」内でまた更新していくことになりました。

 その理由については、“「このミス」完全読破”が、恥ずかしながら舞い戻ってまいりましたをご覧ください。

 なお、このブログ“「このミス」完全読破”については、しばらくは消さずに残しておく予定です。

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2009年7月18日

No.196 『ポルトガルの四月』 浅暮三文

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.196

 『ポルトガルの四月』 浅暮三文   ( 2010年版 ?位 )

   読始:09.6.21 ~ 読終:09.6.24

ポルトガルの四月 (ハヤカワ・ミステリワールド)ポルトガルの四月 (ハヤカワ・ミステリワールド)
磯 良一

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 記憶喪失の男が、ヨーロッパのある地で目覚めるところから始まる物語です。

 この男は、あることを行うと記憶の一部を思い出すことができるのですが、この断片的な記憶を繋ぎ合せ、自分がこれまで行っていたことを思い出すために、ヨーロッパ中を駆け回るのです。

 そんな男と行動を共にすることになる少年や、行き着く先々で直接的にも間接的にも関わることになる人々、そして男の過去と因縁深い人物など、登場する人物たちがみなどこか抜けていて、なんともアホらしいやり取りを見せたりもするので、そんなコミカルなところが楽しかったですね。

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 そして、そんな人物たちが絡んでくるエピソードも、ヨーロッパ各地を舞台にして、それぞれの地ごとに様々な珍道中が繰り広げられるので、まるで連作短編集のような楽しみ方もできるのです。

 それに、主人公が記憶を取り戻すごとに、主人公の過去と現在の状況が徐々に明らかにされていく様なんかで、ミステリ的な楽しみもできるわけですが、最後に主人公の過去が全てが判明されると同時に、それまでの無関係に思われていた各エピソードが一つに繋がり、衝撃の事実が!ってなったならば、大絶賛していたのですが.....。

 まあ、繋がりはなくても、各エピソード共に面白かったのですけどね。でもそういった“衝撃の連鎖”を匂わすような表現があったりもしたので、ちょっとクライマックスに期待を掛け過ぎてしまったようです。
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  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★         人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「ロング・ドッグ・バイ」 霞流一

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  >>> 「このミス」完全読破 読破本リスト <<<

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2009年7月12日

No.195 『元職員』 吉田修一

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.195

 『元職員』 吉田修一   ( 2010年版 ?位 )

   読始:09.6.16 ~ 読終:09.6.16

元職員元職員
吉田 修一

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 No.148 「チェーン・ポイズン」本多孝好と共に、講談社創業100周年を記念した「書き下ろし100冊」シリーズの第1弾に選ばれた作品です。

 この作者は元々人気作家ではありましたが、作風を変えた「悪人」で「このミス」初ランクインとなりました。

 そして今作も、“吉田修一が到達した最高の「犯罪文学」”というあおりが付いていたこともあり、期待して読んでみたのです。

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 ただ、犯罪小説とはいっても、犯罪を行っている様子、または根っからの犯罪者を描いているわけではありませんでしたね。

 ごく一般人の主人公が異国の地で過ごすバカンスの様子が主に描かれていて、犯罪とは関係なさそうなんだけど、実は.....、って感じでして、極道とか凶悪犯罪者が出てくるようなものではないのです。

 そういったものではなくて、小さなキッカケから罪を犯してしまった一般人の心の動きというか心境の変化にスポットが当てられている感じでした。

 派手な演出はなく、淡々と話が進んでいくのですが、そんなありふれた話のような雰囲気の中に静かに宿る狂気が心に残りましたね。

 そんなわけなので、今作は「このミス」で票を集めるようなタイプの作品ではなさそうです。
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  > 個人的評価 : ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★   人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★    感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  >>> 「このミス」完全読破 読破本リスト <<<

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2009年7月11日

「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(09年7月)

 「2009年版」に引き続いて、「このミステリーがすごい!2010年版」でも“ランキング発表前に対象作品を読んでしまおう!”というのをやってみようと思います。

 それで、日頃から“どんな作品がランクインしそうかな?”って色々とチェックしているので、どうせならそれを発売された月別にまとめてしまおう!ということで始めたのがこの「月別ランクイン候補作品」です。

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、“作者の過去実績”や“なんとなくの前評判”を元に、推測されるランクインの可能性ごとに3段階に分けて並べています。

 なお、これを書いている時点では作品をまだ読んでいない状況になると思うので、この3段階の分類は、作品を読んだ上で決めたものではありませんので、その点ご了承ください。


 << この記事は現時点で未完の状態なので、情報を仕入れ次第、新たに対象作品を追加していく予定です >> 

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 >> 2009年7月発売の最有力候補っぽい作品 <<


 【 太陽を曳く馬 / 高村薫 】


  > 合田雄一郎がミレニアムを挟んで遭遇した二つの事件。
  > 血塗られた惨劇と僧侶の轢死の底には、
  > 動機と死体を結ぶ接点が存在しない、
  > 徹底した不確実が横たわっていた。
  > 『晴子情歌』『新リア王』を貫く福澤一族がもたらした
  > 現代という名の謎に、合田は震えた……。


 2009年7月現在で、「このミス」歴代たった2人しかいない2度の1位獲得日本人作家・高村薫の新作です(もう一人は、船戸与一)。

 まあ、ここ最近は「このミス」とは久しくなっているわけですが、今回の作品は、その「このミス」1位に輝いたNo.08「マークスの山」と「レディ・ジョーカー」、さらには「このミス」3位の「照柿」から続く“合田雄一郎”シリーズの新作であり、「晴子情歌」「新リア王」に続く“福澤彰之”シリーズの続編でもあるので、これは「このミス」的にも期待してよいのではないでしょうか。


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「黄金を抱いて翔べ」  1992年版 9位
   > 「神の火」  1992年版 8位
   > 「わが手に拳銃を」  1993年版 10位
   > 「リヴィエラを撃て」  1993年版 5位、10年ベスト 16位
   > 「マークスの山」  1994年版 1位
   > 「照 柿」  1995年版 3位
   > 「レディ・ジョーカー」  1999年版 1位、20年ベスト 9位

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 【 廃墟に乞う / 佐々木譲 】

廃墟に乞う廃墟に乞う
佐々木 譲

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  > ニセコの貸し別荘で見つかった女性の絞殺死体。
  > 仙道孝司はオーストラリア人と日本人不動産会社との
  > 確執に事件解決の鍵を見出す。
  > 「オージー好みの村」など、休職中の道警刑事、
  > 仙道が北海道の全域を駆け回る連作小説集。


 No.152「警官の紋章」No.175「暴雪圏」とすでに大作を2本も発表しているに、手を緩めることなくまたもや新作が登場となりました。

 今回も北海道を舞台とした警察小説ですが、休職中の刑事が主人公の連作短編集ということで、前2作とはまた違った魅力の作品となっていそうですね。


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「ベルリン飛行指令」  1988年 4位
   > 「エトロフ発緊急電」  1989年 4位、10年ベスト 11位、20年ベスト 13位
   > 「五稜郭残党伝」  1992年版 15位
   > 「ストックホルムの密使」  1995年版 2位
   > 「昭南島に蘭ありや」  1996年版 20位
   > 「うたう警官 (笑う警官)」  2006年版 10位
   > 「制服捜査」  2007年版 2位
   > 「警官の血」  2008年版 1位、20年ベスト 30位

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 >> 2009年7月発売の有力候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数

   薄 暮 / 篠田節子 (4作)
   同 期 / 今野敏 (3作)
   最も遠い銀河 / 白川道 (3作)
   9の扉 リレー短編集 / 北村薫 他

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 >> 2009年7月発売の候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   函館水上警察 / 高城高 (1作)
   ドント・ストップ・ザ・ダンス / 柴田よしき (1作)
   ドーン / 平野啓一郎 (1作)
   ダッシュ! / 五十嵐貴久 (1作)
   少女たちの羅針盤 / 水生大海
   マーダーゲーム / 千澤のり子
   文化祭オクロック / 竹内真
   七つ星の首斬人 / 藤岡真
   矢上教授の午後 / 森谷明子
   アダマースの饗宴 / 牧村一人
   時間島 / 椙本孝思
   秒 奪 / 管野ひろし
   刻まれない明日 / 三崎亜記
   銀座ブルース / 柴田哲孝
   追跡 警視庁鉄道警察隊 / 高嶋哲夫
   宵山万華鏡 / 森見登美彦
   下りの船 / 佐藤哲也
   ヒルクライマー / 高千穂遙
   十五号車の男 / 黒羽英二

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  「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(09年6月) <<<

  >>> 「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(09年8月)


 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。


  >>> 「このミス」完全読破 読破本リスト <<<

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2009年7月 9日

No.194 『草 祭』 恒川光太郎

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.194

 『草 祭』 恒川光太郎   ( 2010年版 ?位 )

   読始:09.6.12 ~ 読終:09.6.12

草祭草祭
恒川 光太郎

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 第22回山本周五郎賞の候補作に選ばれた作品です(残念ながら受賞はならず)。

 連作短編集ですが、それぞれの話の共通点というのはそれほどなくて、“ある町を舞台としている”といったところがわかりやすい繋がりですね。

 その町で繰り広げられるいくつかの話は、いずれもごく普通な感じで始まるのですが、いつのまにやら不思議で奇妙な異世界に入り込んでいているのです。

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 その異世界というのが、幻想的でありつつ毒々しさも持ち合わせているので、それを読んでいる時の独特な感覚は、まさに作品に酔っているようでして。

 かなり不気味で怖い雰囲気が漂っているものの、なぜかそこが居心地良く感じで、この作品の世界に気持ちよく浸ってしまうのですよね。

 お盆に田舎へ行って散歩していたら、いつのまにか不思議な世界に入り込んでいたような、馴染みがないはずなのに妙に懐かしさを憶える、そんな読み心地の作品でした。

 まあ、「このミス」で票を集めるようなジャンルではないように思いましたが、それでも読んで損はないでしょうね。
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  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★★★
   熱アクション度 : ★★       主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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2009年7月 5日

No.193 『トレジャー・キャッスル』 菊地秀行

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.193

 『トレジャー・キャッスル』 菊地秀行   ( 2010年版 ?位 )

   読始:09.6.11 ~ 読終:09.6.12

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 「かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド」シリーズの中の一冊です。

 まあ、No.38「神様ゲーム」麻耶雄嵩No.52「銃とチョコレート」乙一などこのシリーズの他作品を読んだ方ならわかるように、装丁から何から子供向けに作られているものの、内容はあまり子供向けでない(むしろ子供には読ませられない)ような作品揃いのシリーズなのです(自分がこれまで読んだ作品がたまたまそうだったのかもしれませんが)。

 そして今回はさらに、作者が“エロス&バイオレンス”に定評のある菊地秀行というのですから、もう一筋縄にはいかないだろうことは容易に予想できてしまうのです。

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 それで内容の方ですが、中学生が主人公の宝探しアドベンチャーということで、いかにも子供向けな感じではあります。

 ただ、その主人公というのが高校生も顔負けの喧嘩の達人でして、宝探しをする上でプロの喧嘩屋との激しい戦いが繰り広げられたり、とんでもないもの(読んでのお楽しみ)と死闘を演じたりと、やはりバイオレンス的な演出が光っていました。

 まあ、こういったシリーズにおける作品ということもあって、それほどドギツイわけでも目を背けたくような感じでもないのですが。

 そしてやっぱりこの作品も、子供向けというよりは、“子供向け”というテーマだからこそ出来る狙いや遊びが満ち溢れていましたね。
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  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★★   主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★        涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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2009年7月 4日

No.192 『遠い旋律、草原の光』 倉阪鬼一郎

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.192

 『遠い旋律、草原の光』 倉阪鬼一郎   ( 2010年版 ?位 )

   読始:09.6.9 ~ 読終:09.6.12

遠い旋律、草原の光 (ハヤカワ・ミステリワールド)遠い旋律、草原の光 (ハヤカワ・ミステリワールド)
倉阪 鬼一郎

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 この作品は、サナトリウム病棟を主な舞台とした恋愛小説です。

 昔から「サナトリウム文学」という言葉があるように、定番的なジャンルではあるのですが、この作品の場合は病気との闘い的なものではありません。

 クラシック音楽や絵画、短歌などの芸術作品が大きなテーマとして取り扱われていることもあって、心や体で感じるような情熱や力が作品全体にみなぎっているのです。

 しかしそんな中にも、この舞台ならではの切なさや哀しさも描かれているので、この対比によってより心に響いてきましたね。

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 そしてミステリ作品としましては、冒頭の感じからして本格ミステリ的な展開になりそうなものの、あくまで芸術世界で彩られた恋愛物語が主軸となっています。

 ただ、待ってましたとばかりに終盤に入って大いに筆を振るわれるミステリ的要素によって、それまでの物語世界に深みや厚みが加わって、切なさや哀しさや美しさがより鮮やかに映し出されるのです。

 なので、昨年(2009年版)3位にランクインしたNo.106「完全恋愛」牧薩次と比べると、恋愛物語としてもミステリ作品としても派手さや大作感では劣るものの、この作品全体を芸術的に包む美しさや、その世界に対し絶妙にアレンジを加えるミステリ的な仕掛けなど、この作品でしか味わうことのできないような魅力に満ち溢れているので、読んで気に入ったら何度でも読み返したくなるくらいにハマってしまうのではないでしょうか。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★      おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★   人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★          涙ウルウル度 : ★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  >>> 「このミス」完全読破 読破本リスト <<<

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2009年6月25日

No.191 『エッジ』 鈴木光司

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.191

 『エッジ』 鈴木光司   ( 2010年版 ?位 )

   読始:09.6.6 ~ 読終:09.6.9

エッジ 上エッジ 上
鈴木 光司

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 No.86「リング」で一世を風靡した鈴木光司の新作です。

 とはいってもただの新作ではありませんでして、この「リング」シリーズ(他には「らせん」「ループ」)以来となるホラー作品なんですねェ。

 というのも、シリーズ最終作「ループ」を書き上げた後に“ホラー封印宣言”をして、それ以後は違うタイプの作品のみを発表していたのだそうです。

 その封印を10年ぶりに解いて発表されたのが今作。しかも上下巻の大作。ということで、いやがうえにも期待は高まってしまいました。

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 というわけで、「リング」シリーズ以来となる待望のホラー作品という触れ込みなのですが、でも内容は純粋なホラー作品ではないですね。

 そっちの方向に導かれていきそうな展開には何度かなるものの、そのまま行き切ることはないのです。

 なのでホラー作品というよりは、SF・サイエンス・サスペンス作品、または○○○作品といった印象ですね(別に隠すほどのものではありませんが、なるべく情報を知らない状態で読んだ方が良いかと思いまして)。

 そのため、“貞子”的な恐怖を味わいたい!という期待と共に読んでしまうと拍子抜けしてしまいそうなので、あくまで理系サスペンス作品といった意識でもって読み始めた方がより楽しむことができるのではないでしょうか。
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  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★         鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 過去の 鈴木光司 作品 】

  > No.86「リング」


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2009年6月21日

No.190 『黒百合』 多島斗志之

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.190

 『黒百合』 多島斗志之   ( 2009年版 7位 )

   読始:09.6.3 ~ 読終:09.6.5

黒百合黒百合
多島 斗志之

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 この作品を読み終えたことにより、「2009年版」のベスト10ランクイン作品の読破を達成しました!

 “「このミス」完全読破”という名前でやっていながら、これまで“読破した”と言い切れるようなことは何一つなかったのですが、これでやっと“初のベスト10作品読破達成”ということで、一安心ですね。

 まあ、この「2009年版」に関しては、ランキング発表前にすでに、ベスト10ランクイン作品のうち8作品を読み終えていたので、あんまり“読破した!!”って感じでもないのですが。

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 それでこの作品の内容の方ですが、終戦から数年後という時代における、中学生の男2人と女1人の甘く切ない一夏の青春物語です。

 この3人の話を中心に進んでいくので、ミステリ作品というよりは青春小説のような趣きが全体的にあります。

 ただ、そこに3人とは直接関係しない過去の話が挟み込まれて、それが中心となる3人の話との関連性を匂わすので、そこで“何かあるな”といった不穏な空気を感じながら読むことになるのです。

 そしてあまりクライマックスっぽくない場面において突如、この不穏な空気を一気に吹き飛ばしてしまうくらいに衝撃的な事実が判明するのですねェ。

 この衝撃の事実によって、これまで読みながら頭に思い描いてきた情景が全く違うものに変わってしまうので、これはもう再読せずにはいられませんね。

 とはいえ、切れ味抜群というよりはジワリジワリと効いてくるといったタイプなので、結構好みは分かれそうですが、それでも「2009年版」の締め切りギリギリの発売にも関わらず7位に入っただけある良作でした。

 あと、評論家・豊崎由美によるこの作品の批評を巡って一騒動起きたりとか、この作品の時代設定に関する誤りを検証したブログに作者本人がコメントを残したりなど、物語を離れた部分でも色々と話題に事欠かない作品なので、そちらの方を追っかけてみるのも面白いかも。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★★   おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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2009年6月16日

No.189 『プラ・バロック』 結城充考

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.189

 『プラ・バロック』 結城充考   ( 2010年版 ?位 )

   読始:09.6.4 ~ 読終:09.6.4

プラ・バロックプラ・バロック
結城充考

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 日本ミステリー大賞新人賞を、全選考委員の絶賛と共に受賞した作品です。

 とはいえこの作者は、ライトノベル小説でデビューし、すでに3作品を発表しているのです。

 なので純粋な意味での新人ではないのですが、新たな挑戦の気持ちと共に応募したそうなので、これが再デビューというわけなのですね。

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 内容は、警察小説の要素も組み込まれたサスペンス作品です。

 このジャンルでは、多くのベテラン作家が活躍しているわけですが、そういった人たちの作品と比べると、さすがに重厚感や安定感など劣っているように感じてしまいます。

 ただ、ネットを利用した仮想空間が絡んできたり、視覚的なインパクトを想像させる描写など、新人だからこその魅力も用いているので、ベテラン作家の作品とはまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。

 それに、工業地帯が舞台ということもあって、全体的に無機質な雰囲気が漂っているのですが、それが現代的な人間関係の連鎖が描かれているこの作品の中身と見事なまでに合っていて、とても惹かれる世界観が作り上げられていましたね。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★★★   主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★         人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  >>> 「このミス」完全読破 読破本リスト <<<

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