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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.454
『メルカトルかく語りき』 麻耶雄嵩 ( 2012年版 7位 )
読始:11.5.11 ~ 読終:11.5.15
読んだ版 : 講談社ノベルス (2011年5月)
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麻耶雄嵩といえば寡作で有名でして、2005年に発売されたNo.38「神様ゲーム」以降、単行本の刊行がストップしていました。
ところが、昨年(2010年)にはNo.343「貴族探偵」、No.373「隻眼の少女」と2作品も発売され、しかも共に「このミス」にランクインするほどの評価を得たのですね。
ただこれでまた新作を読むまで何年か待たないといけないな~と思っていたところ、なんと2年連続で新刊を発表することになったのですから、これは嬉しい驚きでした。
その新作が本作なわけですが、デビュー作を始め麻耶作品の大半が含まれる“メルカトルシリーズ”の最新作でもあるので、麻耶作品ファンにとってはまさに待望の新作といえるでしょう。
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それで本作ですが、「メルカトルと美袋のための殺人」以来のメルカトルシリーズ短編集でして、これまでに雑誌に掲載された「死人を起こす」「九州旅行」「収束」「答えのない絵本」に書き下ろしの「密室荘」を加えた5編を収録。
銘探偵・メルカトル鮎と、行動を共にする推理作家・美袋三条のコンビが、奇怪な殺人事件の謎を推理し真相を暴いていく、とても端正な本格ミステリです。
論理でもって可能性を詰めていきつつ真相に導いていくので、本格ミステリとしての読み応えは充分すぎるほどなのですが、推理部分の割合がかなりのものなので、本格ミステリ作品を読み慣れていない人には少々読み辛いかもしれませんね。
だからといって、本格ミステリを読み慣れている人なら誰でも素直に楽しめるのかといったらそんなことはありませんで、本格ミステリでありながら本格ミステリの枠には収まらないような、そして本格ミステリというジャンルに喧嘩を売っているような、本格ミステリの常識を粉々に破壊するかのような本格ミステリ作品集となっているのです。
まさに麻耶雄嵩だからこそ書くことが出来たんじゃないか、と思ってしまうような“とんでもなさ”が炸裂しているのですが、やはりそういった内容なので、正統派本格ミステリ好きの方には納得できないかもしれないし、読後もすっきりしないと思うのですよね。
なので、これまでの麻耶作品が好きな人には大いにお薦めできるものの、麻耶作品が苦手な人やまだ読んだことのない人には少々お薦めしにくい作品、といった感じでしょうか。
そんな感じで一応はバリバリの本格ミステリ作品なのですが、プライド激高でドSで性格的に難あるも、現場に着くとたちどころに事件を解決してしまう探偵役と、その探偵に苛められ虐げられ酷い目に合わされながらも行動を共にする、別に推理には役に立たない助手役、このコンビのやり取りがなんとも楽しいので、これによって作品全体のバランスが上手くとれていたように思いました。
ちなみに、読んでいる間や読んだ直後よりも、読んでからしばらく経ってから“すごい作品だったな~”と実感するような作品でしたねェ。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “麻耶雄嵩”関連記事 】
> No.373 「隻眼の少女」
> No.343 「貴族探偵」
> No.146 「螢」
> No.113 「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」
> No.38 「神様ゲーム」
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